累 -かさね- 感想(ネタバレ有)

こんばんワン・ツー!
隆大( Ryuta_kanjani8)です!
皆さん今日はどんな一日だったでしょうか。
本日は裕ちん出演映画『累 -かさね-』の感想で~す!
がっつりネタバレがありますのでまだご覧になってない方は自己責任でどうぞ。

本編感想

以前原作の第一話しか読んだことがなかったので何かイメージ的にホラーっぽい内容なんかなと思ってたんやけど、非現実的な設定ではあるけどホラー的な感じではなかったですね~。
ホラーよりもサスペンス的な要素のほうが強いかな。
結構ドロドロしとる感じの(^^;)
観てる最中と観終わった後で結構感想が変わった。
最初観てる時は個人的に結構しんどい描写やとか音が気になって、ぶっちゃけわざわざ映画館にまで来て観る必要性はなかったかなって思ったんよ。
裕ちんの出番も正直少なかったし。
でも観終わってから思い返してみると女優陣の演技が非常に素晴らしかった。
設定が独特やからそれに興味を感じるかどうかは人それぞれやろうと思うけど、テーマやキャストの演技は凄かったと思う。

ただ圧倒的に尺が足りひんと思ったな~。
限られた尺の中でキレイに纏めていたとは思うねやけど理想を言うたら二部か三部くらいに分けてやったほうがよかったと思う。
今回の主人公であるニナと累の話と累の母親の透世の話と透世に魅せられた羽生田の話。
これらの話を2時間弱の尺に収めるのはちょっと無理があったんやないかなぁ。
やから口紅の謎が最初から最後までずっと宙ぶらりんやもんね。
誰も人格が入れ替わるいう不可思議な口紅の能力にそれほど疑問を抱かずにストーリーが進んでいくいうのんはやっぱり違和感を感じたなぁ。
尺が足りないせいでキャラクターの掘り下げもやりきれなかった感じ。
羽生田の透世に対する執着とかある種の異常性とかもっと掘り下げてやったらもっと面白かったと思う。
ある意味、羽生田のスピンオフが観たいと思う部分があった。

あとこの作品って口紅をつけて奪いたい相手にキスすると相手の顔を奪い取れるいう設定の関係上キスシーンが多いやないですか。
ほとんどW主演の土屋太鳳ちゃんと芳根京子ちゃんのキスシーンやねんけど、あれをもうちょっと何か違う観せ方あったんちゃうかなって。
個人的にもうちょっとエログロさが欲しかったかな~。
性的な感じが欲しい云う意味ではなくて何て言うのかな、江戸川乱歩の人間椅子とかみたいな。
多分敢えて性的な感じを出さないようにしてはったんやと思うねやけどそういうのとはちょっと違う、淫靡な感じというか退廃美みたいな感じが出てたらよかったのになって思った。

まぁ、尺が足りない割にはキレイに纏めていたとは思います。
最後のニナ(人格は累)のサロメとか圧巻やったしニナと累のぶつかり合いもよかった。
ラストシーンもある意味キレイな終わり方やと思うし。
今後口紅の謎とかそういったところにきちんとフォーカスが当たる続編が出来たとしたら観たいなと思います。

キャラクター

丹沢 ニナ

土屋太鳳ちゃんが演じた丹沢ニナ。
彼女の演技で僕は観てる最中と観終わった後で感想が変わったんよね。
観終わってから改めて振り返ってみて凄えなって思ったんは土屋太鳳ちゃんの印象が全く出とらんかったん。
女優としてはそれは当たり前のことかもしらんけど観てる最中は土屋太鳳ちゃんなんやってことを全く感じなかった。
丹沢ニナであり淵累やった。
僕は正直女優としての土屋太鳳ちゃんってあんま知らんくてバラエティとかで見掛けたちょっとぽやぽやした感じの印象しかなかってんけど、気が強い言うかある種の傲慢さとかを感じさせるニナの演技はよかったなぁ。
累の時はあんま積極的に自分をアピールするタイプやないから印象は薄いねやけど後半の自分を主張し始める累との演じ分けもよかったし、最後のサロメの踊りとかはほんまに圧巻。
確か土屋太鳳ちゃんってダンサーでもあるんよね。
そういったところを活かしたキャスティングやなぁって思った。

あと単純に出が多いから得な役ではあったわな。
出番の多さや役柄でどうしても土屋太鳳ちゃんのニナ(累)の印象のほうが強くなってしまうのは芳根京子ちゃんにとっては不利やったかなぁとは思うな。

淵 累

W主演ながらも役柄と設定の関係上どうしても出番や主張が抑えめになってまって芳根京子ちゃんにとってはちょっとアレな役柄やったかなぁ。
役者は黒い役のほうが得や言うやないですか。
累も黒い役いうのんに当てはまると思うねやけど対極となるニナも光属性いうわけやなくてちょっと影がある役どころなのでそれほど効果的ではないと言うか・・・・・。
でもすごい難しい役どころやったと思うねやけど芳根京子ちゃんも累とニナの演じ分けが見事でよかった。
あと結構ニナよりも感情を爆発させた泣きの演技が多かったんやけどそれもすごい迫真の演技でよかったなぁ。
尺の関係で登場人物全員が掘り下げた描写が足りなくてそういった部分が勿体ないなぁとは思ったけど、所々で累の物凄いどす黒い怨念めいた感情がちゃんと表現されてて凄かった。

淵 透世

この人はすごい謎な人よな~。
ものすごくキーマン的存在いうか。
透世の持ってる謎が映画では全く描かれとらんかったんで謎だけで終わってしまってるいう感じやねんけど。
掘り下げていったら物凄く面白いと思うんよね。
ある意味、透世の持つ謎をどう設定するかで物語の展開が変わってまう。
透世も口紅の力を使って誰かの姿を奪って女優として生きとったわけやけど誰の姿を奪ったんか。
その相手との関係性はどういうものなのか。
幼少期の累に口紅を譲ったけど複数の口紅を所有していたのか。
累は透世の実の顔を知らなかったのかみたいやけど羽生田は知っとったのか。
透世が顔を奪った相手を監禁しとったみたいやけどそういったことに羽生田は関係しとったのか。
透世と羽生田はずっと連絡を取り合ってたのか。
羽生田が累に言うた透世の遺言は事実なのか。
累の親戚たちは透世の実の顔を知っていたのか。
そもそも透世はどうやってあの口紅を手に入れたのか。
何かいろいろ疑問に思うところがあんねやけど全部を全部掘り下げていったらどこかで設定が破綻しそうな気もする(^^;)
ただ今回の映画では尺の都合もあってやろうけどそういった疑問がまるっと放置状態になっとるんでそこがすごい気になる。
どういう形になるか分かれへんけどいつか続編やスピンオフ的な形でそれが描かれたら楽しみやなぁ。

羽生田 釿互

ある意味ではこの作品の中で一番イっちゃってる人。
彼は第三者的立場である意味では部外者なんよね。
何と言うか透世とも累ともニナとも人生は共にしとるけど運命は共にしとらん言うか。
ビジネスとしての関係性はあって、そやからニナや累の行動とか決断とかはもちろん羽生田の人生に影響を及ぼしはするねやけど本来は人生の深いところにまでは関わってこないはずの人で。
やから何て言うかものすごく無責任に関わってこようとする人よな。
累の演技力を認めていてそれによって自分もビジネス的に成功したい云う打算も勿論あんねやろうけど、本心は累と口紅の力を使って透世の姿を再現したい云う気持ちのほうが大きんやないかと思う。
直接的な関わりはない分、ある意味では一番純粋に口紅の魔力に魅入られた人。
透世に対する想いはほんまに偏執狂的よね。
映画を見た限りでは羽生田と透世の関係性ってビジネスパートナー以上の関係や感情があったのか全然分かれへんけど、現在は確実に異常なまでの執着心を持ってる。
羽生田が累を表舞台に引きずり出して来たわけやからある意味では2人目のキーマン。
良くも悪くも羽生田の存在がなければニナも累も日の目を見ることはなかったんやろうなぁ。

烏合 零太

ものすごくぶっちゃけて言うとあんま特筆すべきところがない(;^_^A アセアセ
僕みたいに原作知らんで観ると映画のためのオリジナルキャラなんかなと思うくらいに出は少ないです。
ただ見た目に惑わされずに累とニナの違和感を見抜いたいう点では2人の感情を動かして物語を展開させていく3人めのキーマンと言って言えないこともないかな。
eighterとしての本音を言うともう少し絡ませてほしかったいう思いがないではないけどそこに力を入れると原作から離れていってしまうからやむを得ない部分があったんやろうね。
烏合の細かい感情の動きとかそういう点は全く描かれなかったんでこれ以上は言えることはないです。
リハーサルの時のニナ自身の演技に対する苛立ちとかの演技は良かったと思う。

感想まとめ

単純にeighterとしてただ裕ちんの姿を観たい、裕ちん以外には全く興味がない云う状態なのであれば映画館まで行くことはオススメしないです。
前述通り裕ちんの出番はほとんどありません。
まぁ、僕も裕ちん目当てで観に行ったわけやけど映画としてはそれなりに面白かったと思うので頭を切り替えれるのであればまぁまぁ良かったと思う。
僕としては観ている最中と観終わってから結構感想が変わった作品。
ただ亮ちゃんの『羊の木』もそうやったけど大きい音に敏感な人とかには結構厳しいかな。
あと累が幼少期の頃に受けた虐めとかニナの累に対する態度とかそういったことにトラウマを持ってる人は観るのがしんどいシーンが多いかも。
原作ファンというわけではなければちょっと観る人を選ぶ作品かなと思いました。

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